2006/02/11
夕刊Fに「めっけもん通信」というグッズ情報コーナーがあるのだが、いつもショボい物が多いなか、先週の商品にはかなり驚いたのだ。
ユニバーサル貿易発売の「デジタルドッグトレーナー」というリモコン装置である。散歩中、愛犬に「待てっ」などと大声で叫ぶのが格好悪い飼い主は必携だという。ボタンを押せば犬にだけ届く超音波が流れ、これを聞かせながら「待て」を繰り返し教えた後、道端で押すと犬が待つというのだ。他に「おすわり」「吠えるな」など8種類を使い分けることが可能らしい。魔法である。
もう、文脈がどんな展開になるか想像できると思うが、これを馬に悪用する。ゴール前で「そのままっ」の態勢の時、突っ込んできそうな3番手の差し馬に向けてこの「待て」ボタンを押し、馬券が1着3着になるのを阻止するのである。逮捕覚悟で。
ついに超音波まで頼りますか…。馬券を買いそうな自分に向けてボタンを押したほうが早かったりして。
競馬中継のパドック担当ディレクターをやっているS本に最近、初仔が誕生した。本人は漢字の「谷」みたいな顔をしているのだが、嫁サンは美人タレントである。子どもはそっちに似たので助かりよった。やはり男の子には母系の血が強く出るのである。
で、それを機に、ボロボロだった馬券が急に当たり出したというのだ。
だいたいみんな同じことを言うのである。子どもができたら馬券が当たり出すのは不思議ですわ。神さんの祝福ですかね…などとホザきよるのだ。
そしたら、横にいた同じく新婚で馬券ボロボロのディレクター・O田が、「ボクも早めに子ども作って神のご加護を頂こかなあ」などとホザき出しよった。
おまえら、アホか。何でおまえらを神さんが祝福せなあかんのよ。それは、子どもができ、無意識のうちに馬券を節制しているのである。だから勝てるのだ。
馬券人間には、そのぐらいの大きなきっかけがいるのだ。ボクも作ろかなあ。
夕べ、弟子らとボクの5人で麻雀を打ってたら、いきなり2位になって抜け番。退屈なので後ろから「もっとデカイの狙わんかい」などとチャチャを入れてたら、「先生がうるさいからアレでもやらせとけ」ということになり、弟子4人が麻雀やってる横で、ボク1人がインターネット麻雀をやらされる始末である。
ところが、こいつが面白い。ウソみたいないい手でビシバシあがれるのだ。夢中になっているうちに1回放ったらかしにされたが、次に入った時に大負けのドボン。本物でもネット麻雀の感覚で打っていたからである。ヤツらの陰謀だった。
文末にアドレスを紹介してもらって言うのもなんだが、ひょっとしてインターネットなんて出てこなければよかったかもしれん。今回の騒動で、株の意味も知らんド素人の若者たちが投資家を気取って大損したのもネットのせいだし。
代替開催の月曜に、仕事しながらいつの間にか馬券でボロ負けしてたのもネットのせいだしね。
早くも金杯の払戻分が底をついたのだ。ほうぼうにあった借金の返済にも充てたけど、あの大金をどこでどう使うのかと思うね。他も何だかんだと獲っているのに。
年頭、若いもんに「点数を絞るから3連単が獲れんのや。今年は手広く張れ」と吠えたのが裏目に出て、恐怖のメールが届くようになったのである。
「次の9R、この穴馬から100円流したいんスけど、50円乗りません?」と来るのだ。手を広げたいが金が足りず、半分受け持てというわけである。弟子の予想だし断ればしまいなのだが、当たると惜しいから乗る。で、負けるのだ。
この前なんか「80円乗りません?」と来やがった。「もし100万馬券が来たら、貴様の取り分は20万しかないぞ」と言ってやったら、それで十分なんだそうである。リスクを減らしたいんだそうだ。8割て、ほとんどわしがリスクを背負うようなもんじゃろが。でも当たると悔しいからまた乗る。ビョーキである。金が貯まる道理がないのだ。
年明けにいきなり運が好転し、金杯の3連単ゲットを皮切りに、地獄の4日間を3勝1敗で乗り切り、抜群のスタート。
どう考えても不思議なのだ。秋に箕面の勝尾寺で勝ち運守りを買ってもダメだったし、コパさんにもらった干支(酉)の置物も関係なかったし(置き場所が悪かったのね)。
正月に家族で天満宮へ参詣したら、帰り道で待ち受けていた帝国ホテル行きの無料バスに詰め込まれ、到着して福引に挑戦。1等が何と、コパさんの戌の置物であった。笑いをこらえつつ2等の商品券を狙い、空くじ。2階で宿泊券が当たるカジノをやっていて、熱くなって8000円もスってしまう。要するに、天満宮も関係ないのだ。
となると、アレだ。家のタンスが限界に達していたので、金杯直前の4日、かなり高額のタンスを買ったのである。それを競馬の神様が見ていてくれたのだ。
今年は「先にデカイ買い物をすると気合が入って馬券が当たる」法則でいくのである。罠だったりして。
今年のJRAのCMで中居クンが、「競馬でうれしいのが、いちばんうれしい」と言っていた。このパターンは、「私は、なりたい人になりたい」とかいろいろあって、コピーの古典的手法である。いっそのこと「競馬で悲しいのが、いちばん悲しい」にしてくれれば、共感もできるんだけど。
もう一つ、「競馬が教えてくれたこと」というのが今年のメーンキャッチのようである。こっちはいいフレーズだ。
試練、我慢、忍耐、辛抱、気力、根気、断念、観念、投降、没落…。競馬が教えてくれたことは腐るほどある。何と言っても最大の収穫は、ちょっとやそっとのことでは怒らなくなったことだ。
威張り散らしたとこでナンボのもんじゃい。世の中には押しても引いても叩いても、どないもならんことがあるのだ。これはマジで、素晴らしい人生の教訓である。
とてつもない大金で得た教訓だけど。
2006/01/07
今年もよろしく。
昨年も本紙に連載させてもらった有馬記念同時進行小説は、主人公が馬券をまた外しよった。もうはるか過去の栄光だが、一度だけ主人公が1億円当ててしまいよったため、後戻りできないのだ。だから昨年も1億円超えを狙って外したのである。
年末の橋本忠記者からの電話は笑った。主人公の買い目5点に25万円配分しただけでどれも1億円になるから、小説と辻ツマが合わなくなると言うのだ。で、無理やり買い目を増やしたのである。
「2万倍馬券もあるぞ。5000円で1億円や。ほんまに買うやろ」。
「買うに決まってます」。
かくしてボクは、本当に1億円になる馬券ばかりを買ったのである。
瀕死(ひんし)の重傷を負ったけど、実感したことが1つある。それは、間違いなく競馬で家が建つということだ。1日あれば。その日が来るまで何とか生き抜いてみたいと思う。
馬券が不調でバイトの学生に5万ほど借りてはいるが、一応、プロダクションの社長である。
同業の社長仲間らと飲むが、いつもボヤキ酒だ。テーマは、「近ごろの若いもん」。皆、そういう齢になったのは確かだが、会社にロクな若者が来ないとボヤく。同感である。ボクの引きが弱いのも関係あるが、面接でだまされるのだ。
「なんで給料払いながら、アホみたいな社会常識を教えなあかんねん」「ほんまや、ほんまや」
ひらめいたのだ。金をもらって教えたらしまいだと。授業しながら生徒を自分の目でじっくり確かめつつ、短期間で即戦力の若者を育て上げ、テレビ界にデビューさせればいいのだ。そこで、来春から「我流塾」という業界人養成講座を開くことにした。やる気のある若者は集まってほしい。
ボクに馬券代を貸せる人は特に優遇する。金は必ず返します。いつになるか分からんけど。
2005/12/17
証人喚問は見応えがあった(ビデオに録画してまで見るか)。議員の突っ込みは甘く、もっと漫才を見て突っ込みの勉強をしろと言いたい。
最近は議員が完璧なフリップを準備していて笑うのだ。テレビのまねは結構だが、演出を知ってからにせえ。仕事柄わかるが、あのサイズは1枚10万円くらいする。手書きでいい。税金の無駄遣いでお前らを喚問するぞ。
税金で思い出したが、中途半端にたばこ代上げるなよ。1800億円の増収が見込めるというが、小遣いの上限が決まっている以上、みんな本数を減らすので税収増など見込めないのだ。逆に、これを機にやめる人が多発するはずである。ならいっそ1万円にしてもらいたいものだ。ボクでもさすがにやめられるから。
以前、馬券は10円単位で売れと書いたけど、これもいっそ、1万円単位にしてくれたらいいのである。さすがにやめられるから。きっかけくれ。
それにしてもあの建築偽造問題はなんなのだ。あんな、自分の髪の毛まで偽造していそうな男1人のために、大迷惑なのである。
彼だって若い頃は大きな夢を抱き、必死で建築の勉強をし、晴れて建築士となり、人々に幸せをもたらし、喜びに満ちあふれていたはずである。
それがどこで間違ったのか、金に目がくらんで道を外し、人生に汚点を残すことになりそうだ。
ボクだって若いころは大きな夢を抱き、必死で放送台本の勉強をし、晴れて放送作家となり、プロダクションの社長となり、お茶の間に数々の潤いをもたらし、喜びに満ちあふれていたはずである。
それがどこで間違ったのか、金に目がくらんで馬券を外し、家も会社も火の車。人生に汚点を残すことになりそうだ。
ただ、ボクは法だけは犯してませんよ。スレスレは結構あるけど、犯罪だけは…。なのに、なんで馬券が当たらんの?